親知らずは真ん中から数えて8番目に位置する歯で、よく痛みや腫れなどのトラブルを起こす歯としてよく知られています。まっすぐきちんと生えてこないことも多いため、自分では親知らずが埋まっていることに気づかないこともあります。親知らずは抜かなければならないというイメージを持っている人もいると思いますが、ケースバーケースで残しておくと後で役に立つケースもあります。
親知らずはかなり奥の位置にあるため、歯ブラシが届きづらく、虫歯や歯周病を非常に起こしやすい環境になっています。そのため痛みや腫れのトラブルを起こしやすく、抜いたほうがよい場合が多いのですが、他にも抜歯をお勧めする理由となるものがあります。
親知らずを抜いたほうがよい場合としては次のようなものがあります。
親知らず自体が大きな虫歯になっていたり、手前の歯に虫歯を作ってしまっている場合です。
歯周病により歯ぐきが頻繁に腫れたり痛みを出す場合です。近くの歯を巻き込まないためにも抜歯をお勧めします。
親知らずが手前の歯を押して、全体の歯並びを乱す原因になる場合があります。
親知らずの生え方によって顎関節症を引き起こす場合があります。
かみ合う親知らずがない場合、延びてくることにより向かいの歯ぐきをかんでしまったり、頬に当たって傷を作ることがあります。
親知らずが倒れて生えている場合やまっすぐに生える見込みがなく、それによりトラブルを起こす可能性がある場合です。
レントゲン上で、骨に埋もれた親知らずの周囲に袋のような影が見えることがあり、これをのう胞と呼んでいます。通常は無症状ですが、感染を起こすと痛みや腫れを起こしたり、歯の根っこを溶かしてしまったりなどのトラブルを起こすことがあります。
上に示したケースに該当しなければ、抜かずに様子を見ても大丈夫でしょう。残しておくことでのちに役に立つ場合もありますので、残せる場合はしっかりお手入れをして大事にしていきましょう。 親知らずを残しておいてもよい、または役に立つことがあるケースは以下のような場合です。
・完全に骨に埋もれて骨と一体化しているケース
・きちんと生えて噛み合う(または噛み合う見込みのある)ケース
・将来、手前の歯を失った場合にブリッジの支えの歯として利用出来るケース
・将来、他の歯を失った時に移植できるケース
・矯正治療で利用できるケース